【1月7日 AFP】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)のエドワード・ウィッテーカー(Edward Whitacre)会長兼最高経営責任者(CEO)は6日、傘下のスウェーデン自動車大手サーブ(Saab)の閉鎖を回避するために行われている土壇場の交渉は不調に終わるとの見方を示した。

 GMは前月、オランダの高級スポーツ車メーカー、スパイカー(Spyker)がサーブ買収に関して新たな提案を申し入れてきたため、交渉期限を延長していた。

 だが、ウィッテーカー会長は記者団に対し、「現在の状況と交渉の進捗度合い」を考えると、交渉成立に「自信がもてない」と語った。

 サーブ買収をめぐっては、スウェーデンの高級車メーカー、ケーニッグゼグ(Koenigsegg)と買収契約を交わしたが、交渉の遅れを理由にケーニッグゼグが前月、契約を撤回。その後、スパイカーが提案を行っていた。

 ウィッテーカー会長は、伝統あるサーブブランドをあまりに簡単にあきらめようとしているとの批判が出ていることについて、「われわれはこれ以上にないほど精一杯やっており、可能な限り手を尽くした」と反論した。

 スウェーデン政府は、同国トロハッタン(Trollhaettan)に本社を置くサーブをめぐり、約3400人の従業員の職業訓練などは支援するが、救済についてはくり返し否定している。

 専門家によると、サーブが閉鎖された場合、約8000人が職を失うという。

 サーブは、20年にわたってGMの傘下にあるがその間ほとんど黒字になっていない。サーブの工場では、工場閉鎖計画の一環としての4週間の操業停止を終え、今月11日から生産を再開する予定となっている。(c)AFP