【1月4日 AFP】インドのニューデリー(New Delhi)で5日に開幕する恒例のモーターショー「オートエキスポ2010(AutoExpo 2010)」で、自動車メーカー各社は今年出展モデルに一斉に「小さいことはいいことだ」というメッセージを込めている。

 世界で最も急成長中の市場のひとつ、インドでの同モーターショーは今年、出展車数が過去最高となりそうだ。そのうち業界トップ・メーカーらが披露する新モデルは、小型車が中心だ。

 ここ数か月、インド自動車市場には外国大手が多数参入した。米自動車大手フォード(Ford Motor)、ゼネラル・モーターズ(GM)、韓国・現代自動車(Hyundai Motor)、仏自動車ルノー(Renault)らそうしたメーカーがこぞって提案しているのが、フォードのアラン・ムラリー(Alan Mulally)CEOいわく「うまみの多い」インド市場に適した設計の、小型で安価なモデルだ。

 フォードの新型車「フィーゴ(Figo)」、独フォルクスワーゲン(Volkswage)の「ポロ(Polo)」や、トヨタ自動車(Toyota Motor)、ホンダ(Honda Motor)らが出展するモデルの大半は小型のコンセプトカーだ。

 インド自動車工業会(Society of Indian Automobile ManufacturersSIAM)のスガト・セン(Sugato Sen)理事は、「インドは小型車市場の一大ハブなりつつある」と説明する。セン氏はその理由として、小型車の国内生産を推進してきた政府の方針と、国民所得の上昇を挙げた。

 所得上昇につれ、需要が高まってきたのが余分な装備のない実用的な小型車だ。いまやインドは中国、日本に続くアジア第3の自動車生産国で、さらにこの十億人市場が爆発的に成長する可能性に、メーカーの期待が注がれている。

 印取引仲介企業エンゼル・ブローキング(Angel Broking)のアナリスト、Vaishali Jajoo氏によると、インド国内での乗用車の売り上げの伸びは、過去5年間で毎年10%を超え、今後4~5年間も年率12~13%の成長が見込まれる。

 デリー・オートエキスポ2010は、11日まで開催される。(c)AFP/Adam Plowright