【12月11日 AFP】ブリュッセル(Brussels)で11日まで開催される欧州連合(EU)首脳会議は、40兆円近い記録的な公的債務を発表したギリシャの金融危機への対応に迫られている。

 会議では、温暖化対策に関する集中審議が行われる予定だった。だがギリシャ政府が先ごろ、国債発行額が4420億ドル(約39兆円)に達したと発表。ユーロ圏16か国の信認が損なわれる可能性があることから、急きょ議題に取り上げることになった。 

 10日の会議初日、ギリシャのヨルギオス・パパンドレウ(George Papandreou)首相は、「経済の改革、公共部門の効率化、汚職などの慢性的問題の根絶」を断行し、経済を健全化すると宣言した。

 ギリシャは、今年の財政赤字が国内総生産(GDP)の12.7%に、公的債務残高がGDPの113%にそれぞれ上昇する見込みであることを明らかにしている。パパンドレウ首相は、金融市場や投資家の信用を回復するため、今後7週間以内に支出を大幅に削減した新しい予算案を提示したい考えだ。

 格付け会社フィッチ・レーティングス(Fitch)は8日、ギリシャ国債の格付けを「A-」から「BBB+」に引き下げた。これに先立ち米格付け機関スタンダード&プアーズ(Standard and Poor's)も、2か月以内にギリシャ国債の格付けを引き下げると発表している。

 10日のギリシャ10年債の利回りは5.471%と、2.307%だったドイツ国債のほぼ2倍になった。これはギリシャが資金を調達する場合、ドイツより2倍高い金利を払わなければならないことを意味する。(c)AFP