【11月30日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)中央銀行は29日、ドバイ(Dubai)の信用不安による株式市場の暴落を回避する目的で、同国の銀行間取引市場に資金供給を実施すると発表した。

 前週、UAEの政府系持ち株会社ドバイワールド(Dubai World)が、世界金融危機の余波で資金繰り難に陥ったことから債務支払い期限の延期を要請。これを機にUAEの信用不安が高まった。中銀の発表は、事態の沈静化を狙ったものだと見られている。
 
 現在、イスラム教の犠牲祭「イード・アル・アドハ(Eid al-Adha)」の4連休でクローズ中のドバイおよびアブダビ(Abu Dhabi)首長国市場が再開する直前に、資金供給を発表し、中銀による銀行支援を明言することで、投資家の信用回復を見込んでいる。

 一方、UAEのある金融アナリストは、ドバイワールドの債権者の大多数が外国の銀行である点を指摘し、UAE内の銀行を対象にした中銀の救済措置では、ドバイの債務危機対策には不十分だとの考えを示している。(c)AFP/Ali Khalil