【10月23日 AFP】「世界一の低価格車」の触れ込みで、インドの自動車大手タタ・モーターズ(Tata Motors)が今年発売した「ナノ(Nano)」に電気系統のショートが原因とみられる出火の事例が相次ぎ、タタでは出荷前・出荷済みの全車両に対する検査を検討している。ただし、リコールは考えていないという。

 7月以降、スポーティーな外見のハッチバック車「ナノ」はすでに7500台以上が納車されている。ナノの販売価格は2500ドル(約23万円)前後だ。

 AFPがタタの広報担当者からEメールで受け取った声明によると、タタは「純粋に予防的措置として出荷前の車両と出荷済みの車両に対する検査を行うだろう。現時点でリコールは検討していない」としている。
 
 前日インド各紙は、ナノの発火トラブル例が3件あったと報道した。いずれも負傷者は報告されていない。

 タタは、このうち2台では炎はあがらなかったとしており、3台目については車両を検査する機会をまだ得ていないと発表した。同社広報はワイパーと照明に電気を供給している電気系統の「些細なショート」だったとしている。

 2台についてはエンジニアが検査し「わずかな煙」が発生したことは認められたが、発火はなく、難燃性プラスチックがごく小範囲で溶けたための煙だったとしている。(c)AFP