【10月19日 AFP】23日開幕する第41回東京モーターショー(Tokyo Motor Show)では、ゼロエミッションの電気自動車(EV)が注目の的となりそうだ。ハイブリッド車で世界をリードする日本の自動車メーカーは、「ハイブリッドの先」を見据え、再充電が可能なバッテリーをもつEVを相次いで出展する。

 日産自動車(Nissan Motor)は、2010年に発売するEV「リーフ(Leaf)」を初めて一般に公開。また、2人乗りの都市型電気自動車のコンセプトカー、「ランドグライダー(Land Glider)」も出展する。

 2012年までにEV発売を目指すトヨタ自動車(Toyota Motor)は、超小型の「FT-EV II」を出展。ホンダ(Honda)も、コンパクトなEVコンセプトカー「EV-N」を出展する。

 一般公開は24日から。

■エジソンの夢、リチウム電池が叶えるか

 EVの構想は、トーマス・エジソン(Thomas Edison)の時代から存在した。ただ、高コストとバッテリー寿命の短さなどの課題から、これまで自動車産業の主流になることはなかった。

 しかし、技術の進歩によって長時間使用可能なリチウムイオン電池が開発され、購入可能な価格帯の電気自動車の時代はぐっと近づいた。日産は、リーフを従来のガソリン車と同程度の価格帯で販売する予定だ。

 EVが今後10年間の主流車種となるかどうかについては、充電スタンドの不足や高い生産コストが、特にこの経済不況下で足かせとなるとして、懐疑的な見方を示す専門家もいる。リチウムイオン電池についても、ノートパソコンに使われている一部メーカーの製品で異常発熱などの懸念から大量リコールがあったことで、安全性に不安が残る。

 それでも、地球温暖化に対する懸念の高まりや生産コスト低下の見通し、ゼロエミッション車を対象に補助金を導入する政府が増えていることなどから、EVの将来は明るいと見る向きは強い。

 ミズノ・クレジット・アドバイザリー(Mizuno Credit Advisory)の水野辰哉(Tatsuya Mizuno)氏は、コスト低下の最大の関門はバッテリーだとしつつ、低価格化は比較的早期に実現するだろうと指摘。リチウムイオン電池の安全性の問題もすでに解決されているとして、販売価格が200万円を切った場合、EVの需要は劇的に増加するとの見方を示している。(c)AFP/Daniel Rook