【9月15日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は14日、米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)の経営破たんから15日で1年を迎えることを機に、ニューヨーク(New York)・ウォール街(Wall Street)のフェデラルホール(Federal Hall)で演説を行った。オバマ大統領は、米金融業界の一部には、金融危機の教訓を無視している者がいると非難し、歯止めの利かない行きすぎた行為の時代ではなく、分別をわきまえた新たな時代を訴えた。

 オバマ大統領は、「金融危機につながった古いやり方はもうだめだ。そのような歴史を繰り返すことは許されない」と強調した。さらに、議会に対し、いまだに高額報酬を支払っている金融機関を監督・規制する、「大恐慌」以来最も大規模な金融規制改革を年内に行うことを呼びかけた。

 オバマ大統領は、米経済は緩やかに回復しているとしながらも、米金融機関の一部は金融危機の教訓を意図的に無視していると指摘。米金融機関の多くは、税金が元になっている巨額の政府救済策を受けていると述べ、「彼らは彼ら自身だけではなく、米国民を危機にさらしている」と批判した。

 その上で、「われわれは、金融危機の中心となった、無謀な行動と歯止めの利かない行きすぎた行為の時代に戻ることはない。多くの人びとが簡単にもうけ、ばく大なボーナスを得るという欲求のみに突き動かされていた時代を繰り返さない」「ウォール街の人びとは、結果を考えずに再びリスクをとるようになってはいけない」と語った。(c)AFP/Marine Laouchez