【8月26日 AFP】米ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)紙は24日、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)が、オペル(Opel)事業継続に向け、43億ドル(約4040億円)の資金調達を計画していると報じた。GMは報道の内容を確認していない。

 連邦破産法の適用申請を経て米政府主導で発足した新生GMは過去数か月間、オペル売却の可能性を模索してきた。ここ数週間で売却先候補はカナダ自動車部品大手マグナ・インターナショナル(Magna International)とロシア国営銀行ズベルバンク(Sberbank)の連合と、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)に本拠を置く投資会社RHJインターナショナル(RHJ International)に絞り込まれ、GMはいずれかの陣営との間でオペル売却の交渉をまとめようと、ドイツ政府と密接に連絡を取りあってきた。

 このような経緯があるため、WSJの報道が事実ならばGMが方針を大きく変えたということになる。同社はオペル事業継続に自信を持っているようにもみえる。

 しかし経済情報サイト24/7WallSt.comのアナリスト、ダグラス・マッキンタイア(Douglas McIntyre)氏は「一夜にして急にGMが自信をつけたなどと考える人はいない。さらに、米独政府の関係にくさびを打つようなことにもなりかねない」と指摘する。

■世界大手の地位に固執?

 一方でGMは世界の自動車業界における有力企業としての地位を保つ機会を狙っていると見る業界ウォッチャーは多い。

 このような動きが報じられる中GMは25日、マグナ陣営へのオペル売却を支持しているドイツ政府とベルリン(Berlin)で協議を行った。ドイツ政府に近い筋はAFPに対し、GM経営陣は今も投資家探しに関心があると明言したと語った。

 資産運用会社メシロー・ファイナンシャル(Mesirow Financial)の自動車業界アナリスト、ダイアン・スウォンク(Diane Swonk)氏は、GMが世界的なプレイヤーでありつづけるためには欧州市場が必要で、オペル事業継続を模索しているのはそのためだと解説する。

 GMの今年1-6月期の販売台数の72%は海外市場でのものだった。海外で販売した194万台のうち欧州での販売台数は47万2000台で、53万4000台を販売した同社にとって最大の市場であるアジア地域に次ぐものだった。(c)AFP/Amandine Ambregni