【7月22日 AFP】米連邦準備制度理事会(Federal Reserve BoardFRB)のベン・バーナンキ(Ben Bernanke)議長は21日、下院金融委員会(House of Representatives Financial Services Committee)の公聴会で金融政策について半年に1度の証言を行い、経済・金融市場について、改善に向かっているが金融政策を転換するには十分でないとの認識を示した。

 同議長は金融市場について「顕著な改善」が見られ、経済に幾分か明るい兆しが見られるとした一方、失業率の上昇による相当のリスクがあることを指摘した。

「深刻な景気後退と限定的なインフレ圧力を考慮し、景気回復を重視した金融政策を維持する」(バーナンキ議長)

 また、金融危機にある米経済を支援するための1兆ドル規模の景気刺激策を平時の政策に戻す、いわゆる「出口戦略」についても、引き続き検討していく方針を明らかにした。

 物価上昇リスクを回避するため、景気刺激策は円滑に適切な時期に解除することが必要だと主張した。

 米ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)紙に掲載されたバーナンキ議長の金融引き締めに関する記事や下院金融委員会での証言を受け、市場はまちまちだった。

 ニューヨーク外国為替市場のユーロ相場は日本時間22日午前6時現在、1ユーロ=1.4227ドルと、前日の1.4233ドルから小幅に下落した。同日の円相場は1ドル=93円73銭と前日の94円21銭から上昇した。(c)AFP