【7月21日 AFP】経営難にある米自動車大手ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)傘下の独オペル(Opel)の売却をめぐり、カナダ自動車部品大手マグナ・インターナショナル(Magna International)、ベルギー投資会社RHJインターナショナル(RHJ International)、中国自動車大手の北京汽車(BAIC)の3社が正式買収案を提出した。GMの欧州子会社GMヨーロッパ(General Motors Europe)が20日、明らかにした。

 5000人が勤務するオペル工場があるノルトライン・ウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州は、AFPに対し、最終的な売却先は週内にも決定する見通しだと語った。

 最終的な売却先の決定権はGMにあるが、オペル従業員数万人の雇用確保の観点などから、ドイツ政府も数十億ユーロの短期融資をGMに提供するなど、オペル売却問題に介入している。

 ドイツ政府は、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相が前週、「マグナの入札は、オペルにとって良いチャンスだ」とのコメントを発表するなど、売却先はマグナが望ましいとの立場を明確にしている。

 ドイツ政府は5月、マグナにオペル株式を取得させる目的で、ロシア国営銀行ズベルバンク(Sberbank)とロシア自動車大手GAZの支援を得て、同社に低金利の短期融資を実施している。

 一方、マグナは20日、同社とズベルバンクはそれぞれ、当初案の20%よりも多い27.5%のオペル株式取得をめざすと発表した。このため、両者はドイツ政府から、45億ユーロ(約6000億円)の追加融資を模索している。

 さらに、ロシア紙コメルサン(Kommersant)は20日、マグナはオペル買収の条件に知的所有権の移譲も含めるよう、GMに要求していると報じた。(c)AFP