【7月9日 AFP】パナマ運河(Panama Canal)拡張計画で8日、新しい閘門(こうもん)建設事業をスペインの建設大手サシル・バジェエルモーソ(Sacyr Vallehermoso)を中心に独、伊、パナマの企業が参加する企業連合「United for the Canal」が落札したと、パナマ運河庁(Panama Canal AuthorityACP)が発表した。

 落札価格は31億2000万ドル(約2900億円)で、応札中の最安値。当初見積もられていた建設費用は、33億5000万ドル(約3120億円)だった。

 同事業には、大成建設(Taisei)、三菱商事(Mitsubishi)、 米建設会社ベクテル(Bechtel)でつくる企業連合が41億9000万ドル(約3900億円)、スペインのACS ServiciosAcciona Infraestructurasが参加する企業連合「CANAL」が59億8000万ドル(約5600億円)などを提示していた。

 パナマ運河は、1904-14年にかけて米国が建設し、その後、99年12月にパナマに管理権が引き渡された。通航する船舶は、米国や中国、日本の船舶を中心に年間約14000隻に上るが、これは世界の商業船舶の約5%にあたる。パナマ経済のおよそ80%がパナマ運河関連だ。

 現在、運河を通航できる船舶の最大積載量はコンテナ5000個分だが、拡張工事完了後には、コンテナ1万2000個分の積載量があるスーパータンカーの通航までもが可能になる。拡張工事は07年9月に開始され、総工費は52億5000万ドル(約4900億円)。2014年8月の完了を予定している。(c)AFP