【6月29日 AFP】(一部更新)フランスの世界的ファッションブランド「ピエール・カルダン(Pierre Cardin)」が、中国企業グループとの買収交渉を行っていると29日報道されたことについて、仏パリ(Paris)のピエール・カルダン本社は同日、ブランドそのものを売却する計画はないと述べた。

 ピエール・カルダン本社広報はAFPの取材に対し、売却を検討しているのは中国国内で展開しているいくつかのブランド契約のみ」だと回答。「かつて日本で交わした契約と同様だ」と述べた。ピエール・カルダンは現在140か国で約800のライセンス・ビジネスを展開しているという。

 これに先だち、中国の現地紙深セン商報(Shenzhen Commercial Daily)は29日の紙面で、広東(Guangdong)省の健升貿易有限公司(Jiansheng Trading Company)が、2億ユーロ(約268億円)でピエール・カルダンの買収を申し出ており、同社関係者は、交渉が1か月以内にまとまることを希望していると報じた。

 この報道について、ピエール・カルダン中国法人トップのFang Fang氏はAFPに対し、「ブランド売却の話は事実だ。(デザイナーの)カルダン氏は検討している。ただし、協議中なのは1社ではない。中国企業以外にも興味を示している企業は相当数ある」と語っていた。Fang氏は買収を提案している中国企業名は伏せたが、広東省と浙江(Zhejiang)省の2企業が合同提案していると述べていた。(c)AFP