【6月22日 AFP】仏ワインの名産地ボルドー(Bordeaux)のシャトー(ブドウ栽培やワイン生産をする私有地)を、中国企業HongKong A and A International)が買収した。仲介した仏企業が21日、明らかにした。

 買収されたのは、フランスの悪名高い政治家リシュリュー枢機卿(Cardinal de Richelieu)がかつて所有していたシャトー・リシュリュー(Chateau Richelieu)で、株式の過半数を取得したという。保有株式の割合は不明。
 
 中国企業のボルドーワインのシャトー買収は前年に引き続き2件目となる。

■拡大する中国市場

 シャトー・リシュリューは、14ヘクタールのワイン畑を含む17ヘクタールの敷地をもち、生産するワインの90%を英国やドイツ、日本、米国など海外に輸出している。これまではさまざまな国籍の17人が株式を保有していた。

 株式買い付けにあたりアドバイスを行った仏企業MK Financeは、買収は急成長しているアジア市場でシャトー・リシュリューの地位を強化するものだとしている。

 ボルドーのワイン業者組合によると、2008年のボルドーワインの中国向け輸出量は前年比60%増で、5300万ユーロ(約71億円)の利益を上げた。

 仏ワイン業界では08年1月に中国の不動産グループのLonghai International Tradingがボルドーのシャトー・ラトゥール・ラガン(Latour-Laguens)を買収している。このケースでも買収金額は明らかにされていない。(c)AFP