【6月11日 AFP】4月末に米連邦破産法11条の適用を申請して経営破たんした米自動車大手クライスラー(Chrysler)は10日、伊自動車大手フィアット(Fiat)などが出資する新会社に資産の大半を売却する再建手続きが完了したと発表した。新生クライスラーの最高経営責任者(CEO)には、フィアットのセルジオ・マルキオーネ(Sergio Marchionne)CEOが兼務。新会社は直ちに操業を開始する。

 マルキオーネCEOは、クライスラー全社員に宛てた書簡の中で、新会社「クライスラー・グループ(Chrysler Group)」は世界第6位の規模に相当すると述べ、クライスラー復活を約束した。

 クライスラーの資産売却をめぐっては、インディアナ(Indiana)州の年金基金などが差し止めを求めていたが、最高裁は9日、売却差し止めを正当化する証拠を示していないとして却下。米・カナダ両政府の財政支援を受けた米第3位の自動車メーカーの迅速な再建が完了した。

 新会社は、当初は全米自動車労組(United Auto WorkersUAW)が大株主となる。フィアットは当初20%を出資し、その後35%に引き上げた上で、提携における目標が達成され公的資金の返済が終わった段階で、最大株主となる予定。また、米・カナダ両政府も105億ドル(約1兆円)を出資する。(c)AFP