【5月14日 AFP】NECは14日、政府主導の次世代スーパーコンピューター開発事業から撤退する方針を明らかにした。経済環境が悪化する中、費用負担の削減が理由だという。

 NECは2007年以降、文部科学省が推進する「次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト」に理化学研究所(Riken)、日立製作所(Hitachi)、富士通(Fujitsu)とともに参画してきた。

 NECの2008年度の純損益は2966億円の赤字。NECの声明によると、同プロジェクトは詳細設計フェーズを終え、製造フェーズへと移行するが、製造フェーズに参画した場合、本体製造に関する多額の投資が見込まれ、業績に大きな影響を与えることが確実であるため、撤退を決断したという。

 NECは、世界的な不況によるパソコン需要の落ち込み、円高による輸出収益の減少などで業績が悪化。世界中で大幅な人員削減を実施したり、北米、欧州のパソコン事業から撤退してより収益の見込めるネットワークソリューションやネットワークシステムなどの分野に力をいれていた。

 一方、自社のスーパーコンピューター事業は継続するという。(c)AFP