世界銀行、東アジア09年成長率予測を下方修正 5.3%に
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【4月7日 AFP】世界銀行(World Bank)は7日に発表した報告書で、東アジアの2009年の経済成長率予測を、12月に予測した6.7%から5.3%に下方修正した。一方で国際経済の危機的状況にあって、わずかな望みとして09年後半には中国経済は回復し始めるだろうと予想した。
経済危機により世界全体の需要が急減し、東アジア地域の輸出高も激しく落ち込んでいる。工場閉鎖や解雇、賃下げが広がり、失業者の数は「痛ましいほど」急増している。世界銀行では、域内数百万人の貧困からの脱出が、失業によって妨げられると懸念を示した。
一方で楽観的な要素として、報告書では09年後半に中国経済は回復を始め、これが東アジア全域の景気を押し上げる要因となるだろうと予想した。
東アジア経済の近年の成長率は2007年が11.4%、2008年が8%、修正された09年予測が5.3%と下落傾向にある。世界銀行では、中国の成長率は経済危機前まで続いた2桁成長は望めないが、09年は6.5%程度と見込んでいる。報告書では中国政府の巨額の景気刺激策が功を奏し、中国経済は最悪期を脱出しつつあると評し、中国の景気は09年後期に上向きとなり、2010年には回復が軌道に乗ると分析した。
しかし、中国の回復がどれだけ持続するかは、アジア製品の主要輸入国、欧米や日本の不調にある経済の先行きによると指摘した。
問題はアジア経済に回復傾向が見えたとしても、すでに域内の失業増加傾向には歯止めがかからないだろうという点だと報告書は述べている。1月までの1年間で東アジアでは新たに100万人が失職し、失業者数は全体で約2400万人に上っている。
世界銀行では実際の数字はさらに悪いだろうとも述べ、「現在の数字は域内全体の失業増加の始まりに過ぎないだろう」と警告している。また今回の経済危機により、09年の東アジアの貧困層人口は、1年前の予測に比べて1000万人多いままだろうとも指摘した。(c)AFP
経済危機により世界全体の需要が急減し、東アジア地域の輸出高も激しく落ち込んでいる。工場閉鎖や解雇、賃下げが広がり、失業者の数は「痛ましいほど」急増している。世界銀行では、域内数百万人の貧困からの脱出が、失業によって妨げられると懸念を示した。
一方で楽観的な要素として、報告書では09年後半に中国経済は回復を始め、これが東アジア全域の景気を押し上げる要因となるだろうと予想した。
東アジア経済の近年の成長率は2007年が11.4%、2008年が8%、修正された09年予測が5.3%と下落傾向にある。世界銀行では、中国の成長率は経済危機前まで続いた2桁成長は望めないが、09年は6.5%程度と見込んでいる。報告書では中国政府の巨額の景気刺激策が功を奏し、中国経済は最悪期を脱出しつつあると評し、中国の景気は09年後期に上向きとなり、2010年には回復が軌道に乗ると分析した。
しかし、中国の回復がどれだけ持続するかは、アジア製品の主要輸入国、欧米や日本の不調にある経済の先行きによると指摘した。
問題はアジア経済に回復傾向が見えたとしても、すでに域内の失業増加傾向には歯止めがかからないだろうという点だと報告書は述べている。1月までの1年間で東アジアでは新たに100万人が失職し、失業者数は全体で約2400万人に上っている。
世界銀行では実際の数字はさらに悪いだろうとも述べ、「現在の数字は域内全体の失業増加の始まりに過ぎないだろう」と警告している。また今回の経済危機により、09年の東アジアの貧困層人口は、1年前の予測に比べて1000万人多いままだろうとも指摘した。(c)AFP