【3月26日 AFP】高額ボーナスの支給が批判されている米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(American International GroupAIG)の幹部社員の1人が、25日の米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙の論説欄に、「会社経営陣に裏切られた」とエドワード・リディ(Edward Liddy)最高経営責任者(CEO)に抗議する「辞表」を寄稿し掲載された。

「辞表」を「提出」したのは、同社に11年勤務している金融商品部門副社長ジェイク・デサンティス(Jake DeSantis)氏。

 米政府の実質的な管理下で経営再建中のAIGは、救済支援を受けた後に幹部社員に巨額のボーナスを支払っていたことが発覚して激しい非難を受けているが、この問題をめぐりサンティス副社長は、金融商品部門が「AIGから裏切られ、議員らの不当な追及の対象となっている」「抗議として、私は辞職し、税引き後の残留特別手当全てを金融危機に苦しんでいる人びとに寄付する」などと主張している。

 デサンティス氏によると、AIGの巨額損失の原因となったクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引に関与した金融商品部門の社員らはすでに退社しており、結果的に世論の批判から逃れていると指摘。自身を含め、現在残っている社員は全くこの問題に関与しておらず、従って責任もないとしている。

 その上で、リディCEOについて、「金融商品部門の大半の社員に巨額損失の責任がないことを承知していながら、われわれを擁護しなかったことに失望と不満を感じている」、「一部の議員からのいわれのない不当な非難、また残留特別手当をめぐるメディアの報道から、われわれを擁護してくれなかったことについて『裏切られた』と感じている」などと非難した。(c)AFP