【3月16日 AFP】中国が外貨準備の運用多角化を図るため金融危機直前に米国株式に投資した結果、800億ドル(約7兆9000億円)以上目減りした可能性があると、英フィナンシャル・タイムズ(Financial TimesFT)紙が16日、報じた。

 約2兆ドル(約196兆円)の外貨準備の運用は、国家外貨管理局(State Administration of Foreign ExchangeSAFE)が実施している。

 米シンクタンク「外交問題評議会(Council on Foreign RelationsCFR)」のエコノミスト、ブラッド・セッツァー(Brad Setser)氏は、外貨管理局が外貨運用多様化の一環として外国株式投資に着手した時期は2007年始めごろとみられると、FT紙に語った。投資は米国でサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅ローン)問題が表面化してからも続いたという。

「政府系ファンドを含む米金融商品への中国国家外貨管理局による投資ポートフォリオは、外国政府のなかで最大級だ」(セッツァー氏)

 しかし、外貨管理局は投資先を公開していないため、その投資結果予測は、大きな誤差が生じることは避けられない。

 温家宝(Wen Jiabao)首相は前週、第11期全国人民代表大会(全人代)閉幕後の記者会見で、米国を投資先とした中国の巨額資産の行く末について「多少、懸念している」との見解を語っている。(c)AFP