【3月15日 AFP】米経済誌「フォーブス(Forbes)」が11日に発表した世界長者番付にメキシコで最重要指名手配犯とされる麻薬組織のボスが入ったことに対し、メキシコのフェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)大統領が「犯罪の正当化だ」と抗議した。

 長者番付に入ったのは、麻薬密輸組織「シナロア(Sinaloa)」を率いるホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)容疑者(54、別名「エルチャポ(El Chapo)」)。2001年にメキシコの刑務所を脱獄し、米国は容疑者の逮捕に500万ドルの懸賞金をかけている。

 グスマン容疑者は、コカイン密輸で資産10億ドルをかせぎ、フォーブスの長者番付で世界第701位に入った。

 2年間にわたって麻薬カルテルとの流血の抗争を続けてきたカルデロン大統領は、フォーブス誌の番付に対して激しい怒りを表明し、「世論だけでなく、今度は雑誌までもが、メキシコの状況を攻撃し、嘘をつくだけでなく、さらには犯罪者を称賛している。メキシコでは、犯罪を正当化する行為もまた犯罪だ」と語った。(c)AFP