【3月14日 AFP】フランス南西部ポントンクスシュルラドゥール(Pontonx-sur-l'Adour)にあるソニー・フランス(Sony France)の工場で12日から13日にかけて、同社のセルジュ・フシェ(Serge Foucher)社長ら2人が労働組合に軟禁される騒ぎが起きた。

 フシェ社長は12日、従業員311人に4月17日の工場閉鎖について説明するために同工場に入ったが、労組側は同社が他の工場を閉鎖したときよりも条件が悪いとして反発。ストライキを決行して工場の入り口を材木などで封鎖し、フシェ社長と同行していた人事責任者が工場から出られないようにした。

 労組関係者によれば同社長は会議室で一夜を明かしたという。13日に工場から出たフシェ社長らは、労組関係者とミニバスに乗り込み、地元自治体の代表と労組幹部を交えて解雇条件交渉を再開するため近くの都市ダックス(Dax)に向かった。

 ソニー・フランスの広報担当者は、「このような事態は外国では驚くべきことなのかもしれないが、フランスではそれほど珍しいことではない」と述べ、同社は告訴しないだろうとの見通しを示した。フランスでは企業幹部が従業員に軟禁される騒ぎがここ数年で数件起きている。

 労組関係者は工場の敷地周辺に数人の警官が来たが、警察は混乱を避けるため介入しなかったと語った。会社側も、フシェ社長は労使交渉を優先して警察の介入を要請しなかったと述べた。

 フランス・ソニーは前年12月、1984年からビデオテープを生産してきた同工場の閉鎖を発表していた。(c)AFP