【3月11日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米大統領が退任間際に課した、仏ロックフォール(Roquefort)地方特産の羊のブルーチーズ(青カビチーズ)への300%の輸入関税について、民主党のジェームズ・オバスター(James Oberstar)下院議員は9日、税率の軽減あるいは撤廃を求めてバラク・オバマ(Barack Obama)現大統領に送った書簡の回答はまだ届いていないことを明らかにした。

 オバスター議員は前月2日、オバマ大統領に「世界における米国の倫理的権威を再構築するため」の運動の一環として、「この悪意のこもった非生産的な懲罰的関税」に対する措置を求める書簡を送っていた。

 ブッシュ前大統領は退任間際になって、欧州では使用が禁止されている成長ホルモンが投与されることが多い米国産牛肉の輸入をフランスが禁止したことへの対抗措置として、チーズ生産者に大打撃を与える関税を決定した。

 ホワイトハウス(White House)の当局者は、オバスター議員の書簡に対する回答は現在作成中だとしたが、内容や送付時期については明らかにしなかった。

 年間生産量1万8500トンのロックフォールの羊のブルーチーズのうち米国に輸出されるのはわずか2%。しかし世界的な経済状況の悪化に伴いブッシュ政権が関税を大幅に引き上げたことにより、フランスとの貿易戦争の影がちらつき始めた。

 ロックフォール村のチーズ生産者たちは今年1月、オバマ大統領に就任祝いとして、特別に密閉されたにおいのきつい同地方特産の羊のブルーチーズ1ケースを送った。(c)AFP