【3月3日 AFP】国際決済銀行(Bank for International SettlementsBIS)は2日付けで四半期報告書を発表した。これによると金融市場安定化に向けた各国政府の取り組みは、ある程度効果を発揮しているという。

 1月には、資金調達のため企業の債券発行が記録的な水準に達したが、これは政府保証に裏付けられた中央銀行の対策が銀行間取引市場を安定させたためとみられる。

 BIS報告書によると、1月の企業の債権発行額は、2000-08年の1月の平均より150%も多い1310億ドル(約12兆7000億円)に急増した。

 BISの報告書は08年第3四半期の資金の流れは流動性収縮により滞っていたが、すでに08年第4四半期には、回復の兆しが現れたことを示している。

 世界の金融市場が08年10-12月期に債権を発行して調達した資金の総額は6243億ドル(約60兆6000億円)で、08年7-9月期の2533億ドル(約24兆6000億円)のおよそ2.5倍になった。

 その一方で報告書は、巨額の公的資金を注入した金融安定化策は、国債による政府の資金調達を難しくし、政府の財政を圧迫していくとも警告している。(c)AFP

【参考】BISの2日付け四半期報告書(英語)