【2月4日 AFP】韓国政府は4日、違法ダウンロードによって大打撃を受けている同国の音楽産業を支援する9100万ドル(約81億円)規模の支援策を発表した。

 韓国文化体育観光省は、同国のポップ・ミュージックの「グローバル化」を狙い、米ビルボード(Billboard)が行っている音楽チャートの韓国版と、米グラミー賞(Grammy Awards)を連想させる「K-POP賞」を新たに作ることを決めたと発表した。

 同省は声明で、5年計画でネットと店舗をあわせた音楽の年間売上高を倍増し、2013年までに1.7兆ウォン(約1100億円)を目指すとした。

 この計画の下で同省は今年12月に、ソウル(Seoul)市内にポップ・ミュージック専用のコンサート会場を2つオープンする。会場は2つ合わせて約4000座席規模となる。

 また、ソウル(Seoul)の北40キロの距離にある高陽市(Goyang)に、2013年までにK-POPのカルチャーセンターを建造する。同センターにも約3000座席のコンサートホールが設置され、地元アーティストの殿堂や展示ホールが設けられる。

 さらに、文化体育観光省は、韓国全土で、アルコールを提供しないカラオケ「ノレバン(noraebang)」3万5000施設にカラオケ設備提供の支援を行う。

 韓国のポップ・ミュージック業界は2000年以降、インターネット上の違法ダウンロードのまん延で、売上高が急落している。韓国では06年12月に違法ダウンロードを取り締まる法案が制定され、前年から本格的な取り締まりが始まっている。(c)AFP