【1月29日 AFP】国際労働機関(International Labour OrganizationILO)は28日、世界的な金融危機と経済低迷がこのまま続けば、2009年末までに全世界で5000万人以上が失業する恐れがあると警告した。

 ILOが同日発表した報告書「世界の雇用情勢(Global Employment Trends)2009年度版」によると、09年の全世界の失業者数は07年と比べ1800万-3000万人増加する見通しで、状況の悪化が続けば5000万人を上回る可能性もあるという。

 その結果、09年の失業者数は1億9800万人、最悪の場合2億3000万人に達する可能性がある。07年の失業者数は約1億7900万人だった。

 ILOのフアン・ソマビア(Juan Somavia)事務局長は記者団に対し「警告ではなく、現実だ。世界的な雇用危機に直面していることを想定しなければならない」と語った。

 各国政府は、07-09年で失業者は3000万人増加し、世界全体の失業者数は2億1000万人に達するという見方をしている傾向が強い。失業者の増加数を最も低く見積もっているのは、国際通貨基金(International Monetary FundIMF)だが、労働問題の専門家などはIMFのデータはすでに過去のものだとの見方を示している。

 ソマビア氏は、先進・新興国20か国・地域(G20)首脳は「生産的」投資を促進し、雇用創出、社会保障強化の方策を至急検討するよう呼び掛けた。(c)AFP