【1月27日 AFP】金融部門に端を発した経済危機が、世界中の企業・政府に大きな打撃を与えている。26日には、1日だけで世界各国の企業で約7万人の人員削減が発表された。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が、景気減速は「劇的に悪化する」可能性があると語った直後、各国企業が雪崩を打つように人員削減を発表した。

 ニューヨーク(New York)では、米建設機械大手キャタピラー(Caterpillar)が、販売不振を受けて、世界中で2万人の人員削減計画を発表。また、通信大手スプリント・ネクステル(Sprint Nextel)が、全社員の14%にあたる8000人の削減を明らかにした。

 時事通信(Jiji Press)のまとめによると、日本の自動車メーカー主要12社は、新車販売の低迷に伴う生産調整で、3月末にかけて約2万5000人を削減する見込みだという。

 欧州では、オランダの金融・保険大手INGグループ(ING)が、7000人の人員削減計画を発表するとともに、277億ユーロ(約3兆3000億円)に上る不良資産のうち80%をオランダ政府が引き受けることを明らかにした。

 オランダでは、家電大手フィリップス(Philips)も全世界で6000人の人員削減計画を発表している。

 また、欧州第2位の鉄鋼メーカーで、インド資本のコーラス(Corus)が、全世界で3500人以上の人員削減計画を発表。人員削減のほとんどは英国で行われるという。(c)AFP