【1月22日 AFP】人員削減などのニュースが連日報じられ、景気後退への懸念が高まっているフィンランドで、国民に消費を減らさないよう訴える、吸血鬼の牙をもつブタの貯金箱を使った広告が話題を呼んでいる。

 この広告を企画・制作した、広告会社ボブ・ヘルシンキ(Bob Helsinki)のJukka Kurttila氏は、「この広告は、フィンランド国民に消費を増やせと言っているのではなく、可能ならこれまで通りの消費を続けるよう訴えているものだ」とした上で、「フィンランド国民のうち90%は、消費を減らす必要はない」と強調した。

 首都ヘルシンキ(Helsinki)周辺に張り出されたポスターには、恐ろしい目をして、牙から血がしたたっているピンクのブタの貯金箱が、「貯蓄で不況を加速させるな」や「貯蓄は美徳とは限らない」といったスローガンとともに描かれている。

 また、一部がテレビのコマーシャルでも放送されている映像広告では、経済不況がある家族の厄介なペットとして描かれている。最後には家族がハイブリッド車とピザを買って、「不況」が死んでしまうといった場面もある。

 Kurttila氏がこの広告を制作したきっかけは、前年10月に行われた調査結果を見たことだった。この調査では、フィンランド経済がまだ好調だったにもかかわらず、国民の39%が消費を減らすと回答していたという。

 Kurttila氏は、「国民の40%が消費を控えるという事態は、フィンランド経済にとって深刻な影響を与える」と強調した。(c)AFP