【1月13日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は12日、政府系天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)に、ウクライナ経由の欧州向け天然ガスの供給再開を指示した。

 プーチン首相はテレビ放映されたガスプロムのアレクセイ・ミレル(Alexei Miller)社長との会議で、モスクワ時間の13日午前10時(日本時間同日午後4時)から、ウクライナ国内の欧州向け輸送パイプラインを通じてロシア産天然ガスの欧州向け供給を試験的に再開するよう指示した。その一方で、プーチン首相は供給量削減もあり得ると述べ、ウクライナによるガス抜き取りをけん制した。

  ミレル社長によると、供給再開に伴い、欧州向けガスがウクライナ国内に流れないよう監視を実施するという。一方、ウクライナ側はガスの抜き取り行為を重ねて否定している。

 ガス需要のかなりの部分をロシアに依存する多くのEU加盟国は厳寒期にガス供給が途絶えるという危機的な状況にあったが、こうした事態も緩和されることになる。欧州連合(EU)加盟国の消費者にガスが再び届くまでの時間は、EU関係者の間でばらつきがあるが、24-40時間から3日ほどかかるとの見方が出ている。

 しかしガス供給の再開は、ウクライナ国内向けのロシア産ガスの代金支払いをめぐる両国の紛争の根本的な解決にはならない。ロシアのプーチン首相はEU議長国チェコのミレク・トポラーネク(Mirek Topolanek)首相との電話会談で、未払いになっているガス代金支払いのためEUがウクライナに信用供与することについて言及したが、この構想が実現するかは不透明だ。(c)AFP/Nick Coleman