北米自動車ショー、注目はグリーンカーよりも「経営不振」
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【1月12日 AFP】米ミシガン(Michigan)州デトロイト(Detroit)で11日、北米国際自動車ショー(North American International Auto Show)が開幕した。環境に配慮したグリーンカーが多数出品されているが、地元米国のゼネラル・モーターズ(General Motors、GM)やクライスラー(Chrysler)の経営危機に代表される自動車業界の低迷を背景に、ショー全体に暗いムードが漂いそうだ。
かつて高燃費のトラックやSUV車を大量生産していたこのデトロイトでのショーで、世界中の自動車メーカーは今回、燃料効率と環境持続性を追求したグリーンカーを中心に新モデル58車種を展示する。
■2012年までの投入めどに並ぶ各社ハイブリッド車
13日までのプレス内覧会のために、会場のコボ・センター(Cobo Center)には60か国余りから7000人の記者が集まった。センター地下には並木道に人工の池や滝も設置され、記者らがGM、フォード(Ford)、トヨタ(Toyota)、ホンダ(Honda)、三菱(Mitsubishi Motors)、テスラ・モーターズ(Tesla Motors)の無公害車の試作モデルを試乗する光景がみられた。
GMは小型車「スパーク(Spark)」を2011年までに米市場に投入すると発表。高級車ブランド、キャデラック(Cadillac)のプラグイン型ハイブリッドモデルを披露した。
クライスラーもプラグイン・ハイブリッド車3種(スポーツカータイプの「ダッジEV(Dodge EV)」、ミニバンの「クライスラーEV(Chrysler EV)」、「ジープEV(Jeep EV)」)を発表した。
2012年までに電気自動車シリーズを投入する予定のフォードは、「トヨタのプリウス(Prius)よりも燃費がいい」と自慢のハイブリッドカー2車種を公開した。
そのトヨタは、2012年までに2人乗りの電気自動車を発売することを前週明らかにし、11日には高級車「レクサス(Lexus)」のハイブリッド版を発表。12日には「プリウス」の改良型も披露する。
ホンダは、4月に米国で発売されるハイブリッド車「インサイト(Insight)」をお披露目した。
また中国の比亜迪汽車(BYDオート、BYD Auto)は、プラグイン型ハイブリッド車の世界初の大量生産車「F3DM」を展示する。中国では12月にすでに発売されており、2010年には欧州にも進出する予定だ。
■あくまでも強気のビッグスリー
金融危機と景気後退のあおりを受け、世界中で自動車販売が低迷するなか、記者たちからは各社の財務改善策に関する質問が集中した。中でもGMとクライスラーは、計80億ドル(約7200億円)にも上る公的資金の緊急融資を受けており、2月17日までに政府に経営改善策を提示しなければならない。
来年も米国内の自動車販売台数は、近年の年平均約1600万台を大幅に下回る1050万-1200万台となる見込みで、両者はさらに公的資金が投入されることを願っている。
GMのリック・ワゴナー(Rick Wagoner)会長は「北米、そして世界で過去数年間、行ってきた業務再編を、大幅に加速すると同時に拡大する。大仕事になるが、単なる再編以上にできることがあり、それを今この場から始める」と決意を語った。
クライスラーのボブ・ナルデリ(Bob Nardelli)最高経営責任者(CEO)は、「2009年は非常に厳しい年になるが当社は危難を乗り切り、融資も返済できるだろう」と述べた。
また、当初緊急融資を要請していたが、途中で「自社の資金でまかなえる」と要請を撤回したフォードは「当社の経営プランは順調だ」と強調した。
北米国際自動車ショーの一般公開は17日からで、25日までの会期中に70万人を超える来場者が見込まれている。(c)AFP/Mira Oberman
かつて高燃費のトラックやSUV車を大量生産していたこのデトロイトでのショーで、世界中の自動車メーカーは今回、燃料効率と環境持続性を追求したグリーンカーを中心に新モデル58車種を展示する。
■2012年までの投入めどに並ぶ各社ハイブリッド車
13日までのプレス内覧会のために、会場のコボ・センター(Cobo Center)には60か国余りから7000人の記者が集まった。センター地下には並木道に人工の池や滝も設置され、記者らがGM、フォード(Ford)、トヨタ(Toyota)、ホンダ(Honda)、三菱(Mitsubishi Motors)、テスラ・モーターズ(Tesla Motors)の無公害車の試作モデルを試乗する光景がみられた。
GMは小型車「スパーク(Spark)」を2011年までに米市場に投入すると発表。高級車ブランド、キャデラック(Cadillac)のプラグイン型ハイブリッドモデルを披露した。
クライスラーもプラグイン・ハイブリッド車3種(スポーツカータイプの「ダッジEV(Dodge EV)」、ミニバンの「クライスラーEV(Chrysler EV)」、「ジープEV(Jeep EV)」)を発表した。
2012年までに電気自動車シリーズを投入する予定のフォードは、「トヨタのプリウス(Prius)よりも燃費がいい」と自慢のハイブリッドカー2車種を公開した。
そのトヨタは、2012年までに2人乗りの電気自動車を発売することを前週明らかにし、11日には高級車「レクサス(Lexus)」のハイブリッド版を発表。12日には「プリウス」の改良型も披露する。
ホンダは、4月に米国で発売されるハイブリッド車「インサイト(Insight)」をお披露目した。
また中国の比亜迪汽車(BYDオート、BYD Auto)は、プラグイン型ハイブリッド車の世界初の大量生産車「F3DM」を展示する。中国では12月にすでに発売されており、2010年には欧州にも進出する予定だ。
■あくまでも強気のビッグスリー
金融危機と景気後退のあおりを受け、世界中で自動車販売が低迷するなか、記者たちからは各社の財務改善策に関する質問が集中した。中でもGMとクライスラーは、計80億ドル(約7200億円)にも上る公的資金の緊急融資を受けており、2月17日までに政府に経営改善策を提示しなければならない。
来年も米国内の自動車販売台数は、近年の年平均約1600万台を大幅に下回る1050万-1200万台となる見込みで、両者はさらに公的資金が投入されることを願っている。
GMのリック・ワゴナー(Rick Wagoner)会長は「北米、そして世界で過去数年間、行ってきた業務再編を、大幅に加速すると同時に拡大する。大仕事になるが、単なる再編以上にできることがあり、それを今この場から始める」と決意を語った。
クライスラーのボブ・ナルデリ(Bob Nardelli)最高経営責任者(CEO)は、「2009年は非常に厳しい年になるが当社は危難を乗り切り、融資も返済できるだろう」と述べた。
また、当初緊急融資を要請していたが、途中で「自社の資金でまかなえる」と要請を撤回したフォードは「当社の経営プランは順調だ」と強調した。
北米国際自動車ショーの一般公開は17日からで、25日までの会期中に70万人を超える来場者が見込まれている。(c)AFP/Mira Oberman