【12月30日 AFP】ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露首相は29日の閣議で、ロシア経済は、2008年第4四半期において世界的な経済危機による「後退圧力」にさらされたものの、08年通期の経済成長率は依然として6%台を維持していると語った。

 プーチン首相は閣僚らに対し、景気減速によって労働者の解雇や賃金の未払いなどが発生している現在、「血液をアドレナリンでいっぱいにして」この危機に立ち向かうよう、いつも通りの力強い口調で求めた。

 プーチン首相は「第4四半期の後退圧力にもかかわらず、ロシア経済は名目でも実体でもプラス成長になるだろう。国内総生産(GDP)の成長率は6%前後になる見込みだ」と語った。さらに、インフレ率については、約13.5%になるとの見方を示した。

 プーチン首相は、08年第4四半期の経済成長率の具体的な数字については明らかにしていないが、同首相の発言は、年初に堅調な滑り出しを見せていたロシア経済がマイナス成長に陥るとする専門家らの見方と一致するものといえる。

 世界的な景気減速の影響が拡大していることを反映し、タチヤナ・ゴリコバワ(Tatyana Golikova)保健社会発展相は、09年の登録失業者数が、現在の150万人から210-220万人に上昇するとの見通しを示した。

 プーチン首相の元経済顧問で、率直な政府批判でも知られるアンドレイ・イラリオノフ(Andrei Illarionov)氏は、「(ロシアの)経済危機は始まったばかりだ。この経済危機で過去5-6年の経済モデルの失敗が明らかになった。この危機は、世界的な金融危機や原油価格の下落とは関係がなく、制度上の問題だ」と指摘している。(c)AFP/Stuart Williams