【12月22日 AFP】(写真追加、一部更新)トヨタ自動車(Toyota Motor)は22日、世界的な景気減速による販売不振などを受け、2009年3月期決算の営業損益が1500億円の赤字になると発表した。同社の営業損益が赤字になるのは、1941年3月期の決算発表開始以来、初めて。

 トヨタは、純損益では利益を確保できるとの見通しを示しながらも、その額を当初の5500億円から500億円に大幅に下方修正した。同期売上高についても、前回予想の23兆円から引き下げ、21兆5000億円に修正した。

 また2008年の販売台数は、前年比4%減の896万台になると発表した。次年度の販売予測については初めて発表しなかった。

 さらに、国内で3000人の雇用削減を行った同社は、米ミシシッピ(Mississippi)州の新工場での生産凍結と、インドでの生産規模削減も発表した。

 環境に配慮したハイブリッド車への需要が海外、特に米国で好調だったことに押され、トヨタは近年、大幅な利益を上げていた。しかし、米国に端を発した金融恐慌の影響で経済現在が減速し、自動車需要も急落した。

 トヨタの業績下方修正についてアナリストらは、世界的な経済危機によるダメージが、米フォード(Ford)を含む米自動車大手3社(ビッグ・スリー、Big Three)だけではなく、自動車業界全体に及んでいるしるしだとみている。(c)AFP/Harumi Ozawa