【12月17日 IDO Securities】 FRBはFF金利の誘導目標を1.0%から『0~0.25%』に、全会一致で引下げた。この結果、日米の政策金利差は93年1月以来ほぼ16年振りに逆転。利下げ幅は事前の予想(50bp)よりも大幅であった上、声明文は通常よりも長く、景気の回復・物価安定のためには、FRBのバランスシートを最大限利用して、やれることは何でもやるという姿勢を強調している(長期国債買い入れ検討も言及)。FOMCのアナウンスメント発表後は『ドル全面安』の展開。多額の経常赤字が残り、財政赤字が急増する見通しの中、ゼロ金利政策導入で下落リスクが高まってきた。
 また、ECBトリシェ総裁は「利下げには限界がある」として、追加利下げ観測が後退しており、金利差面からもユーロ買い・ドル売りに繋がりやすい地合となっている。
 さらに、クリスマス休暇が近くなり市場の流動性が無くなっているため、今後、急激かつ大幅な動きとなってしまう可能性もあり注意を払いたい。

(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(加藤ゆり(ミス東大)の経済教室)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。

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