【12月12日 AFP】米自動車大手3社(ビッグスリー)に最大140億ドル(約1兆3000億円)の緊急つなぎ融資を認める救済法案をめぐる米上院の審議は11日、調整が失敗に終わった。ビッグスリー救済は年明け後まで持ち越しとなる可能性が高くなった。

 10日に下院を通過した救済法案は、経営危機が深刻なGMとクライスラーに対し、3月末までに融資の返済計画と長期的な会社の存続が確実な経営再建策を策定することを条件に、来年3月末までのつなぎ融資を認めるもの。

 共和党は内容が「不十分」だとして反対し、妥協案として、ビッグスリーが来年から賃金を海外メーカーと同水準に引き下げる追加条件を要求したが、米自動車労組の激しい抵抗に合い、採決まで持ち込むことができなかった。

 民主党のハリー・リード(Harry Reid)上院院内総務は、数時間におよぶ協議決裂後、「合意に達することができず、ひどく失望している。法案成立に向け、なんとか妥協点を見いだしたかった」と述べた。
 
 共和党のミッチ・マコネル(Mitch McConnell)上院院内総務は、共和党側はこの救済法案ではビッグスリーの危機を解決することはできないと感じていると指摘。「誰もビッグスリーの破綻(はたん)を見たいわけではないが、彼ら自身で作り出したジレンマだ。手の施しようはほとんどない」と語った。(c)AFP