【12月3日 AFP】経営難に陥っている米自動車大手フォード・モーター(Ford Motor)は2日、米議会に対し再建計画を提出。最大90億ドル(約8400億円)の緊急融資が承認された場合は、2011年までに税引き前損益の赤字脱却ないし黒字化を目指すと発表した。

 フォードは再建計画の中で、人員面でのコスト削減や、今後7年間に技術革新を通して燃料効率の良い自動車の開発に140億ドル(約1兆3000億円)を投資することを強調している。また、所有する自家用ジェット5機の売却、北米部門のすべての社員と海外部門の幹部の09年のボーナスカットなども打ち出している。

 さらに、再建計画が承認された場合は、同社のアラン・ムラーリー(Alan Mulally)最高経営責任者(CEO)が、「再建計画と会社の将来についての自信を示すため」、自らの年俸を1ドル(約93円)とするとしている。

 フォードは、ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)やクライスラー(Chrysler)とは異なり、来年に手持ち資金が底をつくことはないとしながらも、経済がさらに悪化した場合やGMなどが破たんした場合に備え、公的資金による融資が必要だとしている。

 フォードは、再建計画の提出に先立つ1日、傘下のスウェーデンの高級車ブランド「ボルボ(Volvo)」の売却も検討していると発表していた。

 フォードはすでに、英高級車ブランドの「アストン・マーチン(Aston Martin)」や「ジャガー(Jaguar)」、「ランドローバー(Land Rover)」などを売却しているほか、前月にも、保有するマツダ(Mazda Motor)の株式のうち20%を売却している。(c)AFP/Mira Oberman