【11月20日 AFP】財務省が20日発表した10月の貿易統計(通関ベース)は、米国発の金融危機の影響でアジア市場での消費が落ち込み、輸出総額が前年同月比7.7%減の6兆9261億円となった。減少に転じたのは4か月ぶりで、下げ幅はITバブル崩壊後の2001年以来約7年ぶりの大きさ。

 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、639億円の赤字に転落した。赤字転落は8月以来で、1048億円の黒字との当初の予測を大きく下回った。世界的な需要の落ち込みが大きく影響したものとみられる。

 アジア向け輸出も前年同月比4.0%減で、80か月ぶりの減少となった。貿易収支は同38.7%減。最大の貿易相手国である中国向けが0.9%の減少に転じ、赤字幅が27.3%と拡大したことが響いた。

 一方の輸入額は、エネルギー価格の高騰で7.4%増と13か月連続で前年を上回った。

 貿易統計についてスイス金融大手UBSのエコノミスト、前川明(Akira Maekawa)氏は、景気後退局面入りした日本経済の第4四半期の経済成長率が、当初予測よりも大幅に悪化する可能性を指摘している。(c)AFP/Harumi Ozawa