【10月18日 AFP】仏銀行ケス・デパルニュ(Caisse d'Epargne)は17日、前週行ったデリバティブ(金融派生商品)取引で、6億ユーロ(約820億円)の損失が発生したと発表した。

 フランスで預金者の5割近くが口座を持つと言われるケス・デパルニュの多額損失は、信用収縮で傷ついた金融業界の信頼に新たな打撃を与えることとなった。

 欧州連合(EU)カナダ首脳会議に出席するためカナダ東部のケベック・シティ(Quebec City)に滞在中のニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は記者会談でこの問題に触れ、損失は「受け入れがたい」と述べ、ケス・デパルニュの経営陣には結果責任を負うことが求められるとの見解を示した。

 大統領は、「事態すべてが愚かなほどの責任の欠如を示している」と指摘、「これまでにも、今回の金融危機では地位に関わらず各人が責任を負う必要があると述べてきた」と語った。

 クリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)経済・財政・雇用相は銀行監督委員会に対して、ケス・デパルニュの監査を即刻開始し、同行が行った取引を調査するよう指示した。同相はまた、ケス・デパルニュが破たんする可能性はないと強調した。(c)AFP/Eve Szeftel