【10月18日 AFP】インドの商業都市ムンバイ(Mumbai)にある事務所から世界の株式市場の混乱を見守ってきたラジ・クマール・シャルマ(Raj Kumar Sharma)さん(48)は、1つの確実な結論にたどり着いている。「これは星に示されていたことだ」

 占星術師であり、また金融の専門家でもあるシャルマさんは、天体の並びの善しあしを観察することで国内外の株式市場の動向を占い、キャリアを積み上げてきた。

 最近の金融危機の主因を、金融機関の行きすぎた拡大や不適切な経営方針や管理に求める向きが多い中、シャルマさんは気性の激しい土星とずる賢い天敵のしし座が交わるためだと見ている。

 シャルマさんの説明によると、しし座は太陽を表し、インドの占星術では太陽は父親を表すが、息子である土星と太陽の仲は悪く、同じ「宿」にいるときは常にけんかをしているため、市場にも悪意や危険がもたらされるという。

 4月下旬、土星はしし座でいわゆる「影の惑星」の「ケートゥ(Ketu)」と交わった。インドの占星術で、ケートゥは失敗や富の消失を意味しているという。土星とケートゥが「竜のように」戦っていたため、シャルマさんは世界的な金融崩壊を予想。6月末には火星がしし座に入ったことから、炎はより一層燃え上がった。さらに8月下旬から9月にかけて土星が再びしし座に入ったため、「だからリーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)は破たんしたんだ」とシャルマさんは言う。

インドには古代の占星術を使って市場を予測する専門家は多い。シャルマさんもその1人だ。トレーダーは、より典型的な分析手法とあわせて占星術を使用する。

 市場分析で16年のキャリアを持つシャルマさんは、「インドの占星術師は、すべての人が天体のエネルギーの影響を受けていると信じている」と話す。

 今後数か月の市場予測については、シャルマさんは楽観的な見通しをしている。てんびん座に金星が入り、安定と回復がもたらされるからだ。一方で、土星が依然としてしし座周辺にとどまるため、特に原油や金属の市場が不安定になる可能性もあると指摘。「2、3年は混乱が続くだろう」と予測している。(c)AFP/Phil Hazlewood