【10月13日 AFP】ここでもまた住宅市場が崩壊しつつあるスペインのリゾート地で、購入者さえいれば御の字と、ある不動産業者がついに「1軒買えばもう1軒ついてくる」半額セールに出た。

 全国紙パイス(El Pais)によると、スペイン南部の地中海に面したアンダルシア(Andalusia)自治州マラガ(Malaga)県のリゾート地コスタ・デル・ソル(Costa Del Sol)沿いでは、新築または完成間近の住宅2万4000戸の買い手が見つからず、空き家のままだという。

 そこで、開発を手掛けた不動産業者は、1物件78万ユーロ(約1億500万円)のテラザス・デ・ミラフロレス(Terrazas de Miraflores)のタウンハウス(数軒が同棟の集合住宅)の中の1軒を購入するごとに、1ベッドルームタイプのアパートが付いてくる「抱き合わせ販売」を始めた。アパートのほうはバビエラ・ゴルフ(Baviera Golf)に位置する。

「テラザス・デ・ミラフロレスのタウンハウス1軒を買うと、バビエラ・ゴルフのアパート1室もついてきます」――不動産会社サルサ・イモビリアリア(Salsa Immobiliaria)のウェブサイトでは、スイミング・プールを囲むように建てられたタウンハウスの写真の下に、このうたい文句が踊っている。この特売は前週9日、マラガの不動産フェアの初日に開始された。

 スペインでは約10年間に及ぶ不動産景気の後の07年、金利引き上げによる打撃や過剰供給、賃貸条件の規制強化などで不動産セクターが崩壊。公共行政省によると、2008年に入り7月末までに発行された住宅建築許可数は、前年同期比58%減の18万8046軒にとどまっている。(c)AFP