【10月12日 AFP】サウジアラビアなど中東の湾岸産油国の株式市場は今週最初の取引となる12日、寄り付きから全面安の展開となった。

 ドバイ証券取引所(Dubai Financial MarketDFM)は取引開始から6%の大幅安となったほか、アラブ諸国最大の取引所であるサウジ証券取引所(Saudi Stock Exchange)では、株価が約6%下落した前日からさらに約0.5%値を下げた。

 アラブ2位のクウェート証券取引所(Kuwait Stock ExchangeKSE)では、政府が金融機関に20億ドル(約2015億円)の公的資金を注入するにもかかわらず、2.9%安となった。ドバイと同じアラブ首長国連邦のアブダビ証券取引所(Abu Dhabi Securities ExchangeADX)では、不動産関連とエネルギー関連株を中心に4.2%下落した。

 湾岸地域のエコノミストたちは、株価下落の原因として国際的な金融危機の影響が中東に波及したことを挙げている。

 地域全体で1日に約1600万バレルを産出している原油の価格も、前週末10日のニューヨーク原油先物市場で1バレル80ドルを割り込むなど大幅に下落。原油価格が1バレル147ドルの最高値をつけた7月から、湾岸6か国の石油収入は1日10億ドル(約1006億円)ずつ落ち込んだ計算になる。

 世界銀行(World Bank)は10日、原油価格の急激な下落は、産油国の経済成長も減速させかねないと警告した。(c)AFP/Omar Hasan