【9月26日 AFP】パリ(Paris)市当局は25日、高さ約200メートルのピラミッド型高層ビルを市の南西部に建設する計画を発表した。市内では約30年ぶりの高層建築物となる。

 この建築物は、エッフェル(Eiffel)とモンパルナス(Montparnasse)の両塔の南、ポルト・ド・ベルサイユ(Porte de Versailles)の見本市会場付近に建設される。設計者はスイス人建築家のジャック・ヘルツォーグ(Jacques Herzog)氏とピエール・ド・ムーロン(Pierre de Meuron)氏。

 不動産開発業者Unibailが出資し、1年半以内に着工、2012年に完成する予定。公式協議を経てオフィスや会議場、ホテルが建物内に入る可能性もある。

 パリでは1977年に、市内に建設できる建築物の高さを37メートルに制限する法律が制定された。この法律の狙いは、都市計画の失敗例とされたモンパルナス塔のような高層建築物の建設計画を中止することにあった。ところが市議会は今年7月、この法律を廃止。その後、ベルトラン・ドラノエ(Bertrand Delanoe)パリ市長が主導するパリの大規模な再開発計画の一環として、市内6か所に最高200メートルまでのシンボリックな高層建築物を建設する都市計画を打ち出した。一方、環境保護団体やパリ市民の多くは、この計画に反対している。

 ドラノエ市長は、ピラミッド型高層ビルの建設について、「質の高い環境パフォーマンス」と「驚くばかりの美しさ」を兼ね備えたものだと自信を示し、「過去の過ちは繰り返さない」と言明した。(c)AFP