【9月25日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は24日、テレビ演説で「米経済全体が危機にある」と警告、次期大統領候補のジョン・マケイン(John McCain)、バラク・オバマ(Barack Obama)両上院議員および議会上下院の代表を招いて25日に緊急会合を開くと発表した。

 ブッシュ大統領は13分間の演説で、「議会の迅速な行動がなければ、米国は金融恐慌に陥る危険がある」「最終的に米国は長く苦痛を伴うリセッション(景気後退)を経験する可能性がある」などと述べ、7000億ドル(74兆円)規模の金融救済策への国民の支持を呼び掛けるとともに、救済策の効力を疑問視する議員へ圧力を掛けた。

 大統領は、行動を起こさなければ銀行が破たんし、退職金が危険にさらされ、不動産価格が暴落し、差し押さえが急増し、数百万人が失業する可能性があると指摘。「これらが起こるのを許してはならない」と論じ、危機を目前に党を超えた「協力の精神」が必要なことからマケイン、オバマ両氏、上下院の両党代表との会合を提案したと説明した。

 ホワイトハウスによてば、ブッシュ大統領はテレビ演説の1時間半前にオバマ氏に個人的に電話。オバマ陣営のビル・バートン(Bill Burton)主任報道官は、オバマ氏が出席することを声明で確認した。

 世論調査では、米有権者は金融業界に怒りを募らせているものの救済策については意見が分かれている。ブッシュ大統領と共和党の責任を問う声も大きい。

 ただ、救済策をめぐっては共和党内でも、主に保守派の中に政府が市場に大規模な介入を行うことへの躊躇から強硬な反対があり、見解は分裂している。

 一方の民主党は、政府の監督と消費者保護の強化を求めているが、支援額の大きさに二の足を踏んでいる点では共和党と変わらない。(c)AFP/Olivier Knox