【9月25日 AFP】インド・西ベンガル(West Bengal)州シングル(Singur)にある印タタ・モーターズ(Tata Motors)の超低価格小型車「ナノ(Nano)」の生産工場の建設が、土地の返還を求める農民らの抗議行動で中断している問題で、タタ側は同地から移転する見通しとなった。同国通信社PTIPress Trust of India)などが24日、報じた。

 同通信によると、州当局と抗議者側との協議が行き詰まっていることを受け、タタは工場から機器類を移動させているという。移動先は明らかになっていない。

 タタの広報担当者はコメントを避けているが、州警察当局は、荷物を積んだ複数のトラックが工場から出て行ったのは事実だとしている。

 一方、同国北部ウッタラカンド(Uttarakhand)州は、25日にナノの生産拠点をめぐってタタの幹部と協議を開始すると発表している。同州ではすでに、タタの商用車工場が稼働している。

 タタは、シングルの工場建設に3億5000万ドル(約370億円)を投入し、同工場はすでに90%が完成していた。(c)AFP/Sailendra Sil