【9月17日 AFP】(一部更新)米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、資金繰りが悪化している米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対し、AIGの株式約80%を担保に850億ドル(約9兆円)の前例のない巨額のつなぎ融資に応じると発表した。

 米政府がAIGの株式の79.9%を取得し、株主への配当支払いに拒否権を持つ。AIGおよび主要子会社の全資産が融資の担保とされる。クレジットラインの期限は24か月で、ロンドン(London)のインターバンクレートに850ベーシスポイント上乗せした利率が適用される。

 FRBはウェブサイトに発表した声明で、「米政府と納税者の利益を保護するものだ」と述べた。

 これに先立ちニューヨーク・タイムズによるとヘンリー・ポールソン(Henry Paulson)財務長官とベン・バーナンキ(Ben Bernanke)FRB議長は16日午後、議会指導者と会談した。

 デービッド・パターソン(David Paterson)ニューヨーク市長は、CNBCの番組で、「(AIGには)1日しかない。再建できるかどうかの瀬戸際になる。(融資額は)恐らく750-800億ドルになるのではないか」と述べ、800億ドルの融資を受けAIGの破たんと財政的損害を回避するには1日しかないとの見解を示していた。

 また、米資産運用会社カンバーランド・アドバイザー(Cumberland Advisors)のデービッド・コトック(David Kotok)氏はAIGが破たんすれば市場に大混乱を招きかねないため、FRBは破たん阻止のため行動しなければならないと述べていた。

 AIGの株式は16日、寄り付きで前日比70%下落し、持ち直したものの21%安で引けた。15日には前営業日比60%安で、続落。総資産1兆ドル(106兆円)でさまざまな市場に展開している。(c)AFP