【9月16日 AFP】米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)の経営破たんによる金融市場への影響拡大を封じるため、各国中央銀行が相次いで緊急資金供給を行う中、欧州中央銀行(European Central BankECB)は16日、前日の300億ユーロ(約4兆5000億円)に引き続き、700億ユーロ(約10兆3500億円)の供給を行った。

 ほかの中央銀行も15日、同様の措置として、米連邦準備制度理事会(FRB)が700億ドル(約7兆3000億円)、イングランド銀行(Bank of England)が50億ポンド(約9300億円)を供給。イングランド銀行は16日にも、ユーロとドル建て併せ計200億ポンド(約3兆7200億円)の追加供給を行った。16日には日銀も2回に分けて2兆5000億円の緊急供給を行った。

 15日に米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)が破産法の適用を申請し、また同日それ以前に、米証券大手メリルリンチ(Merrill Lynch)が同銀行大手バンク・オブ・アメリカ(Bank of America、バンカメ)に買収されたとの報が相次ぎ、これらの措置が実施された。同保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(American International GroupAIG)も、危機を回避するため巨額の緊急融資を求めていると報じられた。

 これらの動きによって市場全体に衝撃が走り、各中央銀行は金融機関間の融資を継続させ、金融システム全体の凍結を回避するため、緊急供給に乗り出した。(c)AFP