【9月16日 AFP】15日の米株式市場は、米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(American International GroupAIG)株が一時、前週末比で50%以上急落した。世界大恐慌(Great Depression)以来最悪の危機的状況にある米金融市場において、同日破たんした米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)の次はAIGだとの懸念が広がっていることを受けたもの。

 米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によると、AIGは米連邦準備制度理事会(Federal Reserve BoardFRB)に対し、400億ドル(約4兆2000億円)のつなぎ融資を実施するよう打診しているという。AIGは米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)関連のデリバティブ(金融派生商品)取引による損失を抱え、信用格付けの引き下げに直面している。

 ニューヨーク証券取引所(New York Stock ExchangeNYSE)の15日午後の取引では、AIG株は前週末比で58.98%安となり、今年に入ってから90%も下落していることになる。

 AIGは今年、サブプライムローン関連のデリバティブ取引などによる損失を180億ドル(約1兆9000億円)計上している。また、不動産価格の下落に伴い、それに連動させているクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が下落したことで、250億ドル(約2兆6000億円)の評価損を抱えている。(c)AFP