【9月15日 AFP】アラン・グリーンスパン(Alan Greenspan)米連邦準備制度理事会(FRB)前議長が13日、米国は「世紀に一度の金融危機」に陥っており、大不況を引き起こす可能性が高いと発言した。

 米国の中央銀行にあたるFRBを巧みな手腕で率いたグリーンスパン氏は、現在の米国の経済状況は自らのキャリアで目にしたうちで最悪と評し、回復までにはまだ長い過程がかかり、国内住宅価格への打撃も今後続くだろうと述べた。

 米ABCテレビの番組「This Week」に出演したグリーンスパン氏は、現在の状況は「まず第1に、おそらく世紀に一度の類の大事態だという点を認識すべきだ」と強調した。また米国が景気後退を回避する可能性は50%以上あるかと問われ「50%以下だ」と応じた。

 グリーンスパン氏は「世紀に一度の種類の金融危機が、グローバルな実体経済に甚大な影響をもたらさずに起こりうるとは信じがたい。それが今後生じる事態だと思う」と述べた。

 また、破産法申請を決定した米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)の資産売却先交渉が進まない中、大規模な金融機関の破たんはさらに続くだろうとグリーンスパン氏は予測した上で、「それ自体を問題とする必要はないが、その処理方法、清算方法が問題。実際、すべての金融機関を保護しようとすべきではない」と忠告した。(c)AFP