【9月15日 AFP】スイスの週刊紙SonntagsZeitungは14日、長引く金融市場の不振を背景に、同国の金融大手UBSが50億ドル(約5300億円)に上る保有資産の評価損を新たに計上する見込みだと報じた。

 同紙は消息筋の話として、UBSは2008年下期にこの損失を計上する見込みで、来月2日の臨時株主総会直前に公表されるとしている。

 また、評価損のうち、米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)関連の損失が10億ドル(約1060億円)に上るほか、サブプライムローンとプライムローンとの中間にあたるAlt-Aローン(与信力が高いものの、所得や資産の内容に若干問題がある個人向け住宅融資)の損失が同じく10億ドル見込まれるという。

 また、モノライン(金融保証保険会社)関連の投資で20億ドル(約2100億円)、学資ローン関連で10億ドルの評価損が出たという。

 UBSは既に、サブプライムローン関連資産で約425億ドル(約4兆5000億円)の評価損を計上しており、同ローンに端を発する金融危機に最も影響を受けた銀行の1つといわれている。
 
 UBSは08年第2四半期決算で3億5800万スイス・フラン(約360億円)の純損失を計上しているが、ピーター・クラー(Peter Kurer)会長は前月、UBSの09年決算は黒字に戻るとの見解を示している。(c)AFP