【9月3日 AFP】インドのタタ・グループ(Tata Group)は2日、傘下の自動車大手タタ自動車(Tata Motors)が西ベンガル(West Bengal)州シングル(Singur)で進めていた超低価格の小型車ナノ(Nano)の生産工場の建設を停止し、別の工場用地を探していることを明らかにした。

 同グループは今年10月にナノを10万ルピー(約24万円)で発売する予定だが、工場用地をめぐり地元の農民が強硬な抗議活動を続けていた。

 タタ自動車は声明で「反対運動や扇動活動が続いている状況を考慮して、シングルでの工場建設および試験操業を停止せざるを得ない。別の工場でナノを生産するという選択肢を検討している」と述べた。

 州都コルカタ(Kolkata)郊外にあるこの工場では、工場建設のために貧農が立ち退かされたとして数千人が完成間近の工場を封鎖している。地元政治家らが先導する抗議隊は、土地160ヘクタールを元の持ち主に返還しないかぎり封鎖を継続するとしている。(c)AFP