【8月1日 AFP】米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)が7月31日に発表した4-6月期決算では、純利益が前年同期比14%増の116億8000万ドル(約1兆2600億円)となった。記録的な大幅増益となったものの、大方の市場予想は下回る結果となった。

 特別項目を除く1株利益は2.27ドル(約245円)となり、市場予想の2.52ドル(約272円)には届かなかった。総収入は、原油価格の高騰を受けて、前年同期比40%増の1380億ドル(約15兆円)となった。

 エクソンモービルは、1989年に起きた石油タンカー「エクソン・バルディーズ(Exxon Valdez)」号の大規模な原油流出事故をめぐる米最高裁の損害賠償金支払い命令に備え、2億9000万ドル(約310億円)の引当金を積んでいる。これを除けば、収益は119億7000万ドル(約1兆3000億円)になるとみられている。

 前年2007年は、中国やインドなどでエネルギー需要が伸び原油価格が高騰したことで、エクソンモービルにとっては最高の年となった。同年度の収益は406億ドル(約4兆4000億円)となり、米企業の単年度利益としては史上最高額となっている。

 こうしたことから、エクソンモービルは消費者を苦しめるエネルギー価格の高騰によって利益を上げているとして非難されてきた。これに対し、同社は他部門でも収益を上げていることも指摘するとともに、石油や天然ガス開発には多額の投資が必要だと強調している。(c)AFP