【7月15日 AFP】英ファンボロー(Farnborough)で14日、60回目を迎えるファンボロー国際航空ショー(Farnborough International Airshow)が開幕したが、アラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空(Etihad Airways)が同日開幕に合わせ発表した、欧州航空機大手エアバス(Airbus)と米航空機大手ボーイング(Boeing)との旅客機計100機、204億ドル(約2兆2000億円)に上る購入契約が注目を集めている。

 原油高の恩恵を享受しているUAEのアブダビ(Abu Dhabi)に拠点を置き、同国の国営航空会社であるエティハド航空が、創業からわずか5年しかたっていないにもかかわらず、発表したこの購入計画は、民間航空機市場の歴史上最も巨額なものの1つだといえる。

 エティハド航空がエアバスと結んだ購入契約は、世界最大の超大型旅客機A380型機が10機、中型機A350が25機、A320が20機で、総額は定価で110億ドル(約1兆2000億円)となる。一方、ボーイングとの購入契約は、燃費効率が格段に優れた次世代旅客機787ドリームライナー(787 Dreamliner)35機を含む中型旅客機45機、総額94億ドル(約1兆円)となった。

 エティハド航空はさらに、両社から旅客機105機、約226億ドル(約2兆4000億円)の追加購入を検討していることも明らかにした。

 前週末の段階で1バレル=147ドルを超える原油価格の高騰によって、世界中の航空会社はより燃料効率に優れた航空機への投資を迫られており、価格高騰に耐えきれず破たんする航空会社も出てきた。

 国際航空運送協会(International Air Transport AssociationIATA)によると、今年上半期では、燃料価格の高騰を受けて25社の航空会社が破たんしており、この傾向は今後も続くとみられている。

 一方で、産油国は、原油価格高騰による余剰収入のおかげで、航空機の新規購入を積極的に進めている。

 同航空ショーではエティハド航空のほかにも、UAEの格安航空会社フライドバイ(FlyDubai)がボーイングの737型機を54機、総額40億ドル(約4300億円)の購入契約を結んでいる。また、サウジアラビア航空(Saudi Arabian Airlines)もエアバスのA330型機を8機、総額16億ドル(約1700億円)の購入契約を結んだ。

 また、カナダの航空機大手ボンバルディア(Bombardier)は13日、2013年の路線就航を目指し、環境に配慮した新機種Cシリーズ(CSeries)の開発計画に着手したと発表した。(c)AFP/Ben Perry