【7月10日 AFP】フランスの石油大手トタル(Total)はイランでの天然ガス田開発事業への投資は「政治的リスクが大きすぎる」として、同事業への参加を撤回すると発表した。英フィナンシャル・タイムズ(Financial TimesFT)紙が10日、報じた。

 トタルは2006年、イラン南部サウスパルス(South Pars)の液化天然ガス(LNG)田開発およびガス工場建設の第11フェーズプロジェクトでイラン政府と合意していた。

 しかし、トタルのクリストフ・ドマルジェリ(Christophe de Margerie)最高経営責任者はFT紙に対し、「現在の状況下で、イランへの投資計画を進めれば、トタルは金のためなら何でもやると見られ、政治的リスクが高すぎると判断した」と述べ、ガス田プロジェクトへの参加を見合わせる考えを示した。

 イランは前年9月、トタルが政治的圧力に屈してガス田プロジェクトの合意事項を遂行しなければ、イラン企業が単独で開発を行うと警告していた。(c)AFP